第5回学術集会 「地域包括ケアシステムの構築-システム学的アプローチ-」をメインテーマに、情報の共有・連携等について議論が交わされました。

2018年1月28日(日)、医療安全実践教育研究会 第5回学術集会が、大阪大学中之島センター(佐治敬三メモリアルホール)で開催されました。今回は「地域包括ケアシステムの構築-システム学的アプローチ-」をメインテーマとして進めました。


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学術集会は、宇田淳大会長(滋慶医療科学大学院大学 教授)による「地域包括ケア時代のマネジメントとICT化」と題した大会長講演において、効率的な医療・介護を安全で安心に提供するICT、地域包括ケアにおける情報共有の現状および未来を紹介し、開幕いたしました。


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特別講演Ⅰは、大阪府看護協会 会長の高橋弘枝先生より、「地域包括ケアシステムの看護機能の役割強化」というタイトルで、看護の将来ビジョン、地域包括ケアシステムにおける看護機能、大阪府看護協会の役割についてご講演頂き、現場目線でのメッセージを頂戴いたしました。


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ランチョンセミナーは、星光ビル管理株式会社様の共催で、ニッセイ情報テクノロジー株式会社の御手洗洋一様から「病院経営を支えるベッドコントロール術」と題して、転棟や転床・退院の最適なタイミングをどう計るのか、病院経営にどの様に貢献できるか、についてご紹介頂きました。



一般演題では、以下の2題が発表されました。

①「へき地における地域包括ケアシステムの実状」
広島国際大学 服部建大
②「地域医療構想で変わる診療情報管理」
独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター 島田裕子


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特別講演Ⅱは、「地域包括ケアシステムにおけるマネジメント戦略」というタイトルで、兵庫県立大学大学院 教授の筒井孝子先生より、「地域包括ケアシステム」の背景・意図・将来的ビジョンを含めた概念、進展する多様な政策も踏まえたマネジメント戦略、についてご講演頂きました。



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シンポジウムでは、「地域包括ケアシステムにおけるサービス提供体制の連携・統合のあり方」をテーマに、まず桑名市総合医療センター 理事・総括看護部長の野中時代先生から、病院の地域連携室が近隣の診療所を訪問しての地域連携を強化するための課題抽出と、業務改善に基づく紹介率の向上等の成果をご報告頂き、自治体病院の取組みをご紹介頂きました。

次いで、指定居宅介護支援・訪問介護事業所 ユニットケアサービスの岡崎美樹先生より、訪問介護従事者の立場から、在宅介護における医療職・介護職・行政という職種を超えた情報共有のあり方などを通して利用者・家族が安心して利用できる訪問介護について、ご紹介いただきました。

次いで、在宅療養支援診療所 ハーヴィスクリニック 院長の佐能孝先生には、在宅医の立場から、施設連携・職種連携を実現するための導入のハードルが低いICT を利用した情報共有ツール(独自開発)をご紹介いただきました。

最後に、株式会社やさしい手 代表取締役社長の香取幹先生から、ICTによる生産性の向上と組織ネットワークの構築を通じた介護・看護の有機的組織体としての連携のあり方について、ご紹介いただきました。

討論では、情報共有のあり方を通して具体的にどのような連携体制の構築が望まれるかについて、議論が交わされました。



最後の総括では、世話人会において次期大会長として滋慶医療科学大学院大学 准教授の飛田伊都子先生が選出され、次回は患者参加に関するプログラムを予定したいとの抱負が述べられました。


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